キブシ(キブシ科) 「クリンソウの谷」「東トイレそば」「深樹の小径」などにあります。
日本固有種で、北海道(西南部)、本州、四国、九州、小笠原に分布します。山野に自生する雌雄異株(しゆういしゅ)の落葉低木です。湿り気と日陰を好みます。茎は直立して高さ2~3mほど。よく枝分かれし、樹皮は褐色です。葉は柄があり互生します。春、新葉に先立ち枝上に穂状花序を下向きに垂れ、淡黄色の小さい鐘形の花が鈴なりに垂れ下がります(花かんざしとも言う)。雌花、雄花とも雄しべは8個、雌しべは1個ありますが、雌花の雄しべは小さく退化しているので、雄しべと雌しべの目立ちかたで、雌雄が区別できます。特に雄花の雄しべが黄色く目立っているのですぐにわかります。冬芽の大小ではなかなか雌雄を見分けるのは難しいようです。黒のプレートに♂(オス)、♀(メス)のマークを記載していますので是非、雄花、雌花を探して見てください。
晩秋には、雄株の実に見えるものは、空っぽでつぶれますが、雌株は実が房のようになるのでわかります。
和名「木五倍子(キブシ)」は、昔果実に含まれるタンニンをお歯黒に使いました。ヌルデの虫こぶが五倍子(フシ)で、その代用とし使った事によります。