サクラと言えばソメイヨシノ(バラ科)をイメージする方が多いようです。サクラの花が咲いているときはたくさんの人たちが桜の木を眺めますが、花が終わると、ましてや、葉も落ちた冬の時季に桜の木を眺める人はほとんどいません。でも、たまには虫眼鏡をもって冬芽を見てみるのも楽しいことです。
ソメイヨシノの冬芽を見てみると、芽鱗に細かい毛がたくさんあることが分かります。ソメイヨシノは、江戸時代末期にエドヒガンとオオシマザクラから生まれた種間雑種と言われていますが(諸説あり)、両方の冬芽を見てみましょう。エドヒガンの冬芽には、芽鱗に白っぽい毛がたくさんあります。一方、オオシマザクラの冬芽は、無毛で光沢があります。ソメイヨシノの、葉よりも花が先に展開するという性質はエドヒガンから、そして、大輪の花はオオシマザクラから受け継いでいるといわれているようです。
今年は3月の気温がとても高かったので、山形の市街地では今までになく早い時季の4月上旬に桜が開花した年でした。さて来年はどうでしょう。