みどころ情報

ヒガンバナ 争わない平和主義者

 ほかの草が枯れてしまい、落ち葉だけになったところに青々と葉を茂らせているものがあります。間もなく冬を迎えるというのにきれいな緑色の葉です。そう、ヒガンバナの葉です。花が咲いているころはたくさんの方が目を向けてくれるのですが、この時季だれも見向きもしません。「葉見ず花見ず」という別名があるヒガンバナ、花が咲いているときには葉はなく、葉が出ている頃には花はありません。葉と花が互いに会うことはないという意味の別名です。

 花が終わった10月から葉を茂らせ、ほかの草が枯れてしまう頃に葉が大きくなります。雪国ではいったん雪に埋もれ、雪が解けたころにもう一度太陽の光をいっぱいに浴びます。そして初夏、ほかの草が伸びてくるころに葉は隠れるように消えていきます。他の草と太陽の光を奪い合うように争うことなく、時期をずらして葉を茂らせ花を咲かせるための栄養を蓄えます。平和主義のヒガンバナです。

開園日について

アーカイブ