常緑のエゾユズリハ(ユズリハ科)、他の木々が葉を落とす中で青々としています。近づいてよく見ると、紅色の葉柄をもつ葉の下に藍黒色の果序を見ることができます。雌雄別株ですので、果実を付けているのは雌株です。緑色の葉、紅色の葉柄、藍黒色の果実の色の変化が綺麗です。さらに近づいて葉を持ち上げ枝を見てみると、葉が落ちた葉痕はまるで優しいお地蔵様のように見えます。カマキリの卵や、ホオジロの巣でしょうか春に作ったであろう鳥の巣などもあります。
エゾユズリハは中部以北の日本海側や北海道に自生し多雪地の林床に適応した種で、温暖な東北南部以西に自生するユズリハの亜種です。雪国仕様のエゾユズリハは、雪に埋もれても次の年の春にまた起き上がれるように、とてもしなやかな枝をもっています。