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桜ソメイヨシノとその両親

 最も身近な桜ソメイヨシノは、日本中に数百万本から一千万本程も植栽されていると言われています。葉が展開する前にたくさんの花を数多く付けるソメイヨシノは、絶世の美女として全国に広まりました。もともとは江戸末期に江戸染井村の植木職人によってつくりだされ、戦後の高度成長期に爆発的に全国に広まったと言われているようです。日本全国のソメイヨシノは、接ぎ木で増やされた栽培品種のクローンです。冬芽を見ると芽鱗に軟毛が見られます。

 栽培品種のソメイヨシノの母は、エドヒガンといわれています。エドヒガンは、日本に自生する野生基本種のひとつです。ソメイヨシノより少し早く、江戸(東京)で春のお彼岸の頃に開花するのでこの名があるようです。長生きで巨樹になることはエドヒガンの特徴で、樹齢1000年を超える、または、樹齢数百年の有名なサクラはだいたいエドヒガンです。葉が展開する前に花を咲かせることと、冬芽に白い毛があることはソメイヨシノに受け継がれている特徴のようです。

 栽培品種ソメイヨシノの父は、オオシマザクラといわれています。オオシマザクラも日本に自生する基本野生種のひとつで、日本固有種です。関東から東海地方に自生し、起源は伊豆大島などの伊豆諸島といわれているようです。緑色の新しい葉を展開するのと同時に、白く大きな花を咲かせます。花の大きさは、ソメイヨシノに受け継がれているようです。冬芽は毛が無く、すべすべしています。

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