ナツツバキの実は硬い鞘(サヤ)の中に入っています

 ナツツバキ(ツバキ科)  「吉林の庭」にあります。

 山中に生える落葉高木。ナツツバキ属ではもっとも花が大きいです。樹皮はなめらかで10年目位になると古い樹皮がはげおちます。夏に柄のある大きな白い花を開きます。花弁は5枚でしわがより、裏面には白い絹毛があり、ふちは波打ち細かい鋸歯があります。

 和名「夏椿(ナツツバキ)」は、夏にツバキのような花を開くからつきました。

 

 鞘は非常に硬く、上から見ると五角形になっています。上から5裂して、その5つの間に種が入っています。種の大きさは長さ6~7mm、扁平です。この鞘には10個の種が入っていました。

ソメイヨシノ冬芽 芽鱗に毛があります

 サクラと言えばソメイヨシノ(バラ科)をイメージする方が多いようです。サクラの花が咲いているときはたくさんの人たちが桜の木を眺めますが、花が終わると、ましてや、葉も落ちた冬の時季に桜の木を眺める人はほとんどいません。でも、たまには虫眼鏡をもって冬芽を見てみるのも楽しいことです。

 ソメイヨシノの冬芽を見てみると、芽鱗に細かい毛がたくさんあることが分かります。ソメイヨシノは、江戸時代末期にエドヒガンとオオシマザクラから生まれた種間雑種と言われていますが(諸説あり)、両方の冬芽を見てみましょう。エドヒガンの冬芽には、芽鱗に白っぽい毛がたくさんあります。一方、オオシマザクラの冬芽は、無毛で光沢があります。ソメイヨシノの、葉よりも花が先に展開するという性質はエドヒガンから、そして、大輪の花はオオシマザクラから受け継いでいるといわれているようです。

 今年は3月の気温がとても高かったので、山形の市街地では今までになく早い時季の4月上旬に桜が開花した年でした。さて来年はどうでしょう。

オオイタヤメイゲツの冬芽は赤色です

 オオイタヤメイゲツ(ムクロジ科) 「ロックガーデン」の登り口にあります。 

 本州中部、四国の深山に生える落葉樹。幹は灰色で、高さ5~10m。葉は長柄があり、対生で裏面に毛があります。春、枝先に黄白色の小花をつけます。萼片は紅紫色で5、花弁5、雄しべ8、翼のある果実は無毛。雄花と両性花は株を異にします。

 「大板屋名月(オオイタヤメイゲツ)」 葉が丸みを帯びるような掌状に広がる様子を名月にたとえたものであり、イタヤとは葉が重なり合って、板葺き屋根のようであることから言う。イタヤメイゲツに似ていて葉が大きいのでこの名がある。

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