テンニンソウ

 「案内番号③」でテンニンソウが咲いています。

 本州、四国、九州に分布する日本固有種で、山地の樹陰に生える多年草です。地下に太い根茎があり、茎は四角張り、高さ1m程で直立します。葉は対生し、柄があり、初秋に茎の上部に花穂を出し、淡黄色で唇形の花をつけます。萼は短い筒状で、5つに裂け、花冠は下部が筒状です。雄しべ4、雌しべ1は、ともに花冠より長くなります。

 和名は「天人草(テンニンソウ)」。葉を虫の食害によってボロボロにされることが多く、その姿を天人の羽衣に見立てたという説がありますが、牧野富太郎博士は「天人草の意味は何によるものかわからない」とおっしゃっています。

ようこそ 野草園へ

 今日は、山形市立いずみ保育園の年長組さん・年中組さんが来てくれました。活動内容は、木の実拾い、松葉で相撲、アサギマダラの観察、オオバクロモジやカツラのにおい、イタドリ笛、カラコギカエデの実でヘリコプター、そしてドングリゴマ作りです。盛りだくさんの内容でしたが、約1時間かけて園内を散策し、五感をフルに使って自然を満喫しました。

 野草園では、幼稚園・保育園さんを対象に活動プログラムを準備しています。来園いただいた幼稚園・保育園さんからは、「見て触れられる」「園では体験できない」「また来ます」等々、嬉しい声を沢山いただいています。まずは、ご連絡・ご相談ください。

「ぬばたま」  ヒオウギの漆黒の種子です

 ヒオウギの種子が姿を見せ始めました。園内各所で見られますが、「スワンヒルの庭」でたくさん見ることができます。

 花が咲いている時期は、名前の通りお雛様が手にしている扇状に並ぶ葉に目が行きます。6枚の花被片からなるオレンジ色の花も、とても綺麗です。

 そして今、黒い種子が見事です。「黒」と表現するだけではもったいないと感じてしまい、タイトルでは「漆黒」とさせていただきましたが、吸い込まれそうな程、真っ黒です。このヒオウギの種子は、万葉集では「ぬばたま」と表現され、枕詞として「夜」や「黒」といった言葉にかかります。万葉の時代(およそ西暦7世紀後半から8世紀後半)の人々は、ヒオウギの種子を見て、暗闇や黒髪といったものを形容しようとしたわけです。「時を超えても、一つの植物を見て同じ感覚を持てる」ことが素敵だなあと、感じてしまいます。

  

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