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マルバノキの花が咲きました 野草園に冬が来ます

 「ログハウス裏」のマルバノキの花が咲きました。

 4千万年前の氷河期残存種で、現在は、岐阜県、高知県、広島県に隔離分布する日本固有種です。山麓に生える高さ1~3mの落葉樹で、葉は互生し長い柄があって円く、厚い膜質で毛がなく表面は白色をおびます。秋に紅葉し、葉が落ちようとする頃に葉腋に短い柄を出し、その先に暗紅色の花を2つ背中合わせに開きます。花柄の根元に鱗片が数個つき、萼は5裂、花弁5、雄しべ5、花柱2、子房2です。蒴果は大型で、ベニマンサクともいわれます。

 2つの花が背中合わせに咲く姿が特徴的です。ボールペンの先程の小さな花です。目を凝らしてご覧ください。野草園内で最後に花を咲かせるのが本種と言われています。

 

アセビはツツジ科の常緑樹です

アセビ(ツツジ科)

 本州・四国・九州に自生し、山地に生える常緑樹です。高さ1.5~3m。葉は革質で互生です。早春、枝の先に花穂を下に垂れ、白色で壺状の小さな花を下向きにたくさんつけます。萼は花冠とともに5つに裂け、雄しべ10、雌しべ1。蒴果(さくか)を結びます。秋に褐色に熟す果実は上向きにつきます。花や実、葉は有毒で、ツツジ科特有の有毒成分グラヤノトキシン類を含んでいます。

 和名「馬酔木(アセビ)」は、牛馬が食うと麻痺するというので「馬酔木(あせび)」となりました。

 乾燥した茎葉を10倍量の水で煎じて、さらに、煎じた液を10倍に薄めて、殺虫剤として使用できます。中毒症状は、嘔吐、下痢、酩酊状態、四肢痙攣、呼吸麻痺です。

ツルボは多くの実をつけます

ツルボ(クサスギカズラ科) 

 ツルボの茎についていた穂状の花が実り多くの果実ができています。果実には部屋が3室あり、4mm程の長さの黒い倒卵状球形の種が1個ずつはいっています。

 北海道南西部から九州までと琉球列島に広く分布し、国外では朝鮮、中国本土と台湾、それにウスリーに分布します。原野に生える多年草です。鱗茎は卵球状で、株には短い根茎があり、細い根を出します。葉は春秋の2季に出て、春のものは夏に枯れます。初秋に葉の間から30cm位の茎を1本直立し、総状に淡紫色の花をつけます。花被片6は平開し、雄しべ6、雌しべ1。子房は楕円形で、蒴果は倒卵状球形です。スルボ、サンダイガサともいいます。

 和名「蔓穂(ツルボ)」は、ツルボ、スルボは共に意味が不明。参内傘(サンダイガサ)は、花穂の形状が公家が参内する時に、供人(ともびと;供として従う人。供の人。従者)が差し掛ける長柄傘を畳んだ形に似ていることによります。

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