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テンニンソウ

 「案内番号③」でテンニンソウが咲いています。

 本州、四国、九州に分布する日本固有種で、山地の樹陰に生える多年草です。地下に太い根茎があり、茎は四角張り、高さ1m程で直立します。葉は対生し、柄があり、初秋に茎の上部に花穂を出し、淡黄色で唇形の花をつけます。萼は短い筒状で、5つに裂け、花冠は下部が筒状です。雄しべ4、雌しべ1は、ともに花冠より長くなります。

 和名は「天人草(テンニンソウ)」。葉を虫の食害によってボロボロにされることが多く、その姿を天人の羽衣に見立てたという説がありますが、牧野富太郎博士は「天人草の意味は何によるものかわからない」とおっしゃっています。

「ぬばたま」  ヒオウギの漆黒の種子です

 ヒオウギの種子が姿を見せ始めました。園内各所で見られますが、「スワンヒルの庭」でたくさん見ることができます。

 花が咲いている時期は、名前の通りお雛様が手にしている扇状に並ぶ葉に目が行きます。6枚の花被片からなるオレンジ色の花も、とても綺麗です。

 そして今、黒い種子が見事です。「黒」と表現するだけではもったいないと感じてしまい、タイトルでは「漆黒」とさせていただきましたが、吸い込まれそうな程、真っ黒です。このヒオウギの種子は、万葉集では「ぬばたま」と表現され、枕詞として「夜」や「黒」といった言葉にかかります。万葉の時代(およそ西暦7世紀後半から8世紀後半)の人々は、ヒオウギの種子を見て、暗闇や黒髪といったものを形容しようとしたわけです。「時を超えても、一つの植物を見て同じ感覚を持てる」ことが素敵だなあと、感じてしまいます。

  

ホトトギス

「料金所を入って右に曲がり、ミヤマカスミザクラのY字路を左に曲がる」と、右側にホトトギスが咲いています。

 和名は「杜鵑草(ホトトギス)」。鳥のホトトギスの胸にある斑点と大きく開いた花被片の紫斑を重ねました。ちなみに鳥のホトトギスは「不如帰」と書くのが一般的なようです。ひと昔前のTVアニメに、尾の先から人を吸収する怪物が登場しましたが、まさしくこの斑点(色は異なりますが)でした。強烈な印象を受ける紫斑です。2株しかありませんので、花が咲いているうちにご来園いただければと思います。同じホトトギスの名を冠する植物では「タイワンホトトギス(吉林の庭)」が咲いており、もう少しすると「ジョウロウホトトギス(ロックガーデン)」が咲きます。

 北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南、四国、九州に分布する日本固有種です。山地の半日陰地に生育する多年草で、茎は直立し、円柱形で有毛です。葉は2列に互生し、基部は茎を抱き有毛です。秋、葉腋に2~3花ずつ花序を出し、花は柄があり、上向きに咲きます。花被片6個は斜めに開き、外面は有毛で白質で、内面は濃紫斑があります。雄しべ6、花柱の分枝は3本で、さらに2つに分かれ、蒴果は3稜形で中に淡褐色の種子があります。

 

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