みどころ情報

ミズタマソウ

「藤棚からクリンソウの谷へ向かう道端」のミズタマソウです。

 日本では北海道から九州までに見られ、国外では朝鮮半島、中国、インドシナに分布する山地の陰地に生える多年草です。地下茎は白色で、茎は直立して高さ40~60cmになります。葉は柄があり対生で、夏に茎の頂に頂生および腋生の総状花序を出し、柄のある小さな白色の花が咲きます。緑色の萼2、花弁2、雄しべ2、花柱1で、果実はほぼ球形で鉤毛があります。

 和名は「水玉草」。小さな丸い果実に白色の毛がつき、水玉のように見えることに由来します。日差しの強い日中ではなく、水滴が残る雨上がりや早朝に見ていただきたい植物です。より一層、趣を感じることができるでしょう。 

コナギ

「クリンソウの谷の橋」から見下ろせる小池で、コナギが咲きました。

 一年草で、地下茎などは持ちません。高さは15cm ほどになり、茎は根元で数本に枝分かれし、小柄なものは地表をわずかに這い、大柄なものはやや斜めに立ち上がります。葉は長い柄があり、葉身は強い光沢がある細い披針形、生長がよければ基部が心形の卵形になり、成長段階によって変化します。よく育つと幅広くなります。全株ともやわらかく、緑色で葉身表面はつやがあってやや色が濃くなります。

 本園では、数年ぶりに開花が確認されましたが、水田耕作における強害草の1つに数えられます。無農薬栽培で水田耕作をしている農家の方には、悩みの種だそうです。綺麗な花だけに、ちょっと残念!

雨に濡れる ナツズイセン

 「ナナカマドの森の東・アケビ棚近くの道沿い」で、ナツズイセンが咲きだしました。和名の「夏水仙」は、スイセンの葉に似ているためついた名前ですが、スイセンの仲間ではなく、これから咲くヒガンバナの仲間です。花期に葉がないため、ハダカユリと呼ばれることもあります。

 観賞用に栽培されるほか、日当たりの良い草地に自生している多年草です。細長い葉は早春に伸びだし、地下の鱗茎に栄養を貯め、初夏には葉が枯れてしまいます。夏には60cm程の花茎を立ち上げ茎頂にラッパ形のピンクの花を数個咲かせます。

 学名に、ギリシャ神話の「海の女神リコリス」の名がついています。花がとても美しいため、つけられました。今日のナツズイセンは雨に濡れ、学名通りの姿を見せてくれました。 

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