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「深樹の小径」より フシグロセンノウ

「フシグロセンノウが咲かないね」と、職員間で話をしていたのですが、本日、「深樹の小径」で咲いていました。

 日本の固有種で、本州・四国・九州の 山地の樹陰の草原に生える多年草です。茎は直立し、節が黒褐色になります。茎の上部は分枝し、まばらな軟毛があり、葉は無柄で茎に対生します。葉身は卵形から長楕円状披針形で、葉先は鋭尖形で基部は細まります。朱赤色の花を分枝した茎の先にまばらに数個つけ、萼は長円筒状で5裂し、毛はなく、花弁は5枚です。蒴果は先が5裂した長楕円形です。

 写真から、節が黒色をしているのが分かりますか? 花の色は赤みを帯びた朱色なのですが、「この色を絵の具で作るのは大変だろうな」と思ってしまうような、深みのある色合いです。花が散る前に、是非、会いに来てください。

ハナトラノオが咲きだしました

「スワンヒルの庭」で、ハナトラノオが咲きだしましt。

 北米原産で大正時代に渡来した多年草で、茎は角張り、花は総状花序です。1つの花は唇形で、花序の下から上へ順に咲いていきます。大変性質が強く、一度植えると放置していても地下茎でよく増え、半野生化することもあります。蝶が沢山集まってきます。

 「トラノオ」と名のつく植物がいくつかありますが、本種も虎の尾のような総状花序です。さらに、花が美しいことから「ハナ」が付きました。花は、マイナスイオンを出すことでも知られています。また、シソ科の特徴として茎が角ばっていることから「カクトラノオ」の別名もありますので、ご覧いただくときに、優しく触れてみてください。今回咲き始めたのは白い花です。ピンクの花も順次咲きだすことでしょう。 

秋の七草 クズ

 ゲートから野草園にご入場いただいてすぐ、左側でクズの花が咲きだしました。敷地内ですが道路沿いになりますので、ご覧いただく際は、交通安全にご留意ください。「七草の庭」のフジは、勢いよく蔓を伸ばしていますが、花芽を見つけることができずにいます。

 温帯および暖帯に分布し、北海道から九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布しています。山野に見られる大形の蔓状草本で、茎の基部は木質になります。葉は大きく3出複葉で、葉腋から総状花序が上向きに立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する蝶形花を房状に密集してつけ下から順に開花します。根は太く多量のでんぷんを含んでおり、葛粉(くずこ)がとれます。食用の他薬用にも使われ、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられています。

 和名は「葛(クズ)」。大和(奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来します。「葛湯」や風邪のひきはじめに服用する「葛根湯」は、良く知られていますが、こんなにきれいな花が咲くんですね。

 

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