観察日記

ムラサキシキブ(紫式部) コムラサキ(小紫) コシロシキブ(小白式部)

 ムラサキシキブ(シソ科)の果実が色付き、とても綺麗です。(上段2枚)控えめな果実の付き方、美しい紫色の果実、その楚々とした佇まいを感じさせるムラサキシキブには、和の美しさを感じる方も多いようです。その昔は、タマムラサキやムラサキシキミなどと呼ばれていたそうですが、やがて「紫式部」と呼ばれるようになりました。

 園芸店でムラサキシキブの名前で販売されているものは、コムラサキ(小紫)という種類が多いようです。(中段2枚)ムラサキシキブよりたくさん実を付け、枝垂れるような枝ぶりが特徴です。

 ムラサキシキブの果実が白色に熟すものをシロシキブ(白式部)と呼びますが、コムラサキの果実が白色に熟すものはコシロシキブ(小白式部)やシロミノコムラサキ(白実の小紫)と呼ばれるようです。ですから、下段2枚の写真は果実の付き方からするとコムラサキの果実が白いものなので、コシロシキブです。

どっちがどっち?ルイヨウショウマの実 ヨウシュヤマゴボウの実

 園内をまわると、全く同じような果実が見られるものがあります。下の二つの果実、ひとつがルイヨウショウマの果実(上段2枚)、もうひとつがヨウシュヤマゴボウの果実(下段2枚)、写真だけみると全く同じような様子でどっちがどっちかわかりません。ルイヨウショウマは深山の樹林内で見られ、葉は2~3回3出複葉、小葉は卵形~長卵形で粗い鋸歯があります。また、ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産で明治初期に渡来し平地でも普通に見られ、葉の形は長楕円形で先が尖ります。

 気を付けなければならないのは、ルイヨウショウマはキンポウゲ科の植物で、キンポウゲ科の例にもれず毒性があります。ヨウシュヤマゴボウはヤマゴボウ科ですがこれも毒性があります。死亡例もありますので十分に気を付けなければなりません。

ホトトギス 斑点模様が特徴的

 「ひょうたん池」西側に、ホトトギス(ユリ科)が咲いています。噴水のような形をした花柱も面白いですが、何といっても斑点模様が特徴的です。この斑点模様が、鳥のホトトギスの胸の羽毛の模様と似ていることが花の名前の由来になっています。本州では関東地方以西に自生する植物となっていますが、北海道南西部にも自生があるようです。本園では、本種のほかにヤマジノホトトギス、タマガワホトトギス、タイワンホトトギス、ジョウロウホトトギスが見られますが、この時季は本種とタイワンホトトギスとジョウロウホトトギスの3種類が観察できます。

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