観察日記

ベニバナヤマシャクヤクの袋果が裂開

 野草園の中でもなかなか見ることのできないベニバナヤマシャクヤク(ボタン科)、その袋果が裂開し種子が見えてきました。紺色に見えるのが種子、赤く見えるのは不稔種子です。うす暗い林の中で、印象に残る色合いです。「深樹の小径」で見ることができます。

サラシナショウマが咲き始めました

サラシナショウマ(キンポウゲ科) 「クリンソウの谷」「ミズバショウの谷」にあります。

 日本の北海道・本州・四国・九州、中国北部に分布します。低山帯から亜高山帯に分布する植物で山地の落葉樹林下や、草地に自生する高さ1m位の多年草です。茎は直立します。葉は互生で長い柄があります。茎頂に長い花茎を出し、単一またはまばらに分枝した総状花序をつけ、多数の柄のある白い花を密生します。花には両性花と雄花があります。萼片の外側には毛があります。

 和名「晒菜升麻(サラシナショウマ)」は、若芽を茹でて、水にさらして山菜として食したことから。

 雄しべだけの雄花と、花の中心に先が茶色になっていてる2本の雌しべが雄しべに囲われている両性花が混じっているのが虫眼鏡で見てわかりました。

オケラ咲く 昆虫ではなく植物です

 キク科の植物オケラが咲き始めました。名前だけを聞くと「昆虫のケラ」と間違えてしまいそうですが、正式な植物名です。漢字で書くと「朮」、あまり見かけない漢字です。根を乾燥したものはお正月の屠蘇散の材料になるようです。そのほか、様々な場面で利用されてきた植物で、オケラという植物名は万葉時代の「ウケラ」という植物名が転じたものだと言われているようです。

 目立つ花ではありませんが、近づいてよく見ると、総苞の周りに魚の骨のような形をした苞があります。まるで魚の骨で囲われ守られているような印象を受けます。なかなか面白いつくりの花です。雌雄異株。

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