観察日記

エビネ 林内に咲く

 杉林内の小道の脇にエビネ(ラン科)が咲いています。漢字で書くと海老根、地中に連なっている茎と根が海老のように見えることからこの名前があります。でも掘ってみないと見えませんね。山野の木陰、湿り気のある腐葉土などのところに生育する多年生の常緑性地生蘭です。

トリガタハンショウズルが「深樹の小径」の「炭焼き小屋」の向かいで咲いています

トリガタハンショウズル(キンポウゲ科)

 本州(宮城県以南)から四国にかけて分布し、山地や丘陵地の林縁や明るい林内に生えるつる性低木です。日本固有種です。茎は淡褐色で無毛です。葉は対生し、1回3出複葉です。両面ともまばらに伏毛があり、有柄です。花は前年枝の葉腋から単生し、鐘形、淡黄白色で、半開の状態で下向きに咲きます。花柄は長さ2~7cm、葉柄より短く、有毛です。萼片は花弁状で4個あります。花弁はありません。雄しべは多数です。痩果は長卵形です。

 

ササバギンランとギンランの違いは?との質問を受けました。

 昨日、あるお客様からギンランとササバギンランの違いはどこですか、との質問を受けましたが、葉の違いですとの返答をしてしまいましたが、総苞(花序の基部にできる多数密生した包葉の集まり)が長いのがササバギンランというのが正確でした。

 ちなみに、本園でギンランを見つけるのは難しいようです。

 ササバギンラン(ラン科)  「木道」を抜けた林下にあります。

 日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、アジアでは朝鮮、中国東北部に分布しています。山地の樹林下に自生する多年草です。根茎は短いですが、根は細く長いです。茎は直立し、高さは30~50cm位です。葉は互生し、卵状披針形です。先端は尖り、基部は茎を抱きます。葉の裏面、縁および花序に白色の短毛状突起があります。白色の花を穂状花序に数個つけます。花の下にある葉状の苞が目立ち、下部の1~2個の苞は花序より長いです。萼片は長さ11~12mm、側花弁は萼片より短く、唇弁の基部は距となって突出します。ギンランに似ていますが、ギンランは葉より花序が高くなりますが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなります。また、ギンランより全体に大型になります。

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