斎藤茂吉が愛した植物オキナグサ。花が終わり、まもなく真っ白な綿毛が見られる時季です。この頃になると、翁草の名の由来を感じることができます。白髪の老人のような姿になるのは、もうすぐです。
観察日記
コマクサ 高山植物の女王
蔵王のコマクサの時季にはまだ早いですが、野草園ロックガーデンではもうコマクサを見ることができます。高山植物の女王とも呼ばれ、高山帯の砂礫地に自生する植物です。山形でとても愛されている植物で、市内幼稚園から高校までコマクサを校章とする学校がとても多くあります。また、歌人斎藤茂吉の短歌や詩人真壁仁の詩にも登場する「孤高の花」です。
雪消えしのちに蔵王の太陽がはぐくみたりし駒草の花 斎藤茂吉 (歌碑は蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅付近にあります)
アヤメの仲間
今、野草園では、アヤメの仲間3種類〈カキツバタ、ヒオウギアヤメ、アヤメ〉を観察することができます。ノハナショウブは、少し遅れて6月中旬頃に開花します。
カキツバタ(アヤメ科):湿地に生育、紫色の垂れ下がる外花被片に白い斑紋が入る
ヒオウギアヤメ(アヤメ科):北海道、本州中部以北の深山の湿地に生息、綾目模様がある、葉の出方がヒオウギ
に似る、内花被片が立ち上がらない
アヤメ(アヤメ科):比較的乾燥している山野の草地に生息、綾目模様がある、内花被片が立ち上がる