観察日記

ササバギンランとギンランの違いは?との質問を受けました。

 昨日、あるお客様からギンランとササバギンランの違いはどこですか、との質問を受けましたが、葉の違いですとの返答をしてしまいましたが、総苞(花序の基部にできる多数密生した包葉の集まり)が長いのがササバギンランというのが正確でした。

 ちなみに、本園でギンランを見つけるのは難しいようです。

 ササバギンラン(ラン科)  「木道」を抜けた林下にあります。

 日本では北海道、本州、四国、九州に分布し、アジアでは朝鮮、中国東北部に分布しています。山地の樹林下に自生する多年草です。根茎は短いですが、根は細く長いです。茎は直立し、高さは30~50cm位です。葉は互生し、卵状披針形です。先端は尖り、基部は茎を抱きます。葉の裏面、縁および花序に白色の短毛状突起があります。白色の花を穂状花序に数個つけます。花の下にある葉状の苞が目立ち、下部の1~2個の苞は花序より長いです。萼片は長さ11~12mm、側花弁は萼片より短く、唇弁の基部は距となって突出します。ギンランに似ていますが、ギンランは葉より花序が高くなりますが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなります。また、ギンランより全体に大型になります。

シャガが2年ぶりに咲きました。ヒメシャガと見比べてください。

シャガ(アヤメ科)「ミズバショウの谷」沿いの道路わきにあります。

 常緑性の多年草です。根茎は横に這います。葉は常緑で扇形に列生します。花は淡い紫色、表面にオレンジ色の突起物ができてその部分を囲むように青紫色の斑点が入ります。花は短命で一日でしぼんでしまいますが、次々と新しい花を咲かせます。元々は中国原産で古くに日本に渡来し、野生化したと言われています。タネができない性質(不稔性)です。

ヒメシャガ(アヤメ科)「マグノリア通り」「ロックガーデン」にあります。

 中国原産です。北海道西南部、本州、四国、九州北部に分布しています。丈夫で耐陰性にも優れています。シャガに比べてやや小型です。株はランナーで増えます。細長い葉を株立ちさせ、初夏に大き目の淡紫色の花を咲かせます。花茎の高さは30cm以下です。外花被片の中央は白色で、紫色の脈と黄色の斑紋があり、とさか状の突起があるのが特徴です。常緑のシャガとは違い、葉は冬には枯れてしまいます。

ヤマシャクヤクの花にフタスジヒロカタハナカミキリがきていました

フタスジヒロカタハナカミキリ(カミキリムシ科)  「マグノリア通り」のヤマシャクヤクにいました。

 今年、2度目の出会いでした。昨年は、ヤマシャクヤクの花の中を覗くと結構な確率でいましたが、今年は少ない出会いでした。

 体長16〜18㎜。体型は太短く、頭部と前胸背板は黒色です。上翅は黄色でいくつかのやや大きな黒斑があります。成虫は5〜6月に出て、ヤマシャクヤクの花粉などを食べるそうです。フタスジヒロカタハナカミキリは山形県では準絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

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