観察日記

ヒトリシズカ  静御前に会いましょう

 通称「コゴミロード」のヒトリシズカです。2カ所で群生しています。

 北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に生える多年草です。葉は4枚が輪生状に付き、茎の先に1本の穂状の花序を出し、ブラシ状の小さな白い花をつけます。同種のフタリシズカは花穂を2本以上出すことで区別できます。また、ヒトリシズカは4枚の葉が輪生しているように見え、フタリシズカは2枚の対生する葉が、一段違って直角に交わっています。葉に艶があるのもヒトリシズカの大きな特徴です。

 和名「一人静(ヒトリシズカ)」は、この花の可憐さを愛でて、静御前になぞらえたものと言われています。

オオシマザクラ = 「桜餅の葉」&「ソメイヨシノの親」

 「野草の丘東側」のオオシマザクラが見頃を迎えています。

 日本の固有種で、日本に自生する10もしくは11種あるサクラ属の基本野生種の一つです。関東以南の島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く生育し、その起源は伊豆大島などの伊豆諸島にあり、和名「大島桜(オオシマザクラ)」の由来となっています。樹形は傘状で、一重咲きの大輪の花を比較的多く咲かせ花弁の色は白色です。白い花と緑色の葉が同時に展開します。葉は長さ5cm~10cm程度で先端が尖った倒卵形または楕円形で互生し、細かい鋸歯を持ちます。花と葉は比較的強い芳香を持ち、葉を塩づけにして分解を促進して芳香を増した葉が桜餅の葉として使われてきました。

 誰もが知っているソメイヨシノは、このオオシマザクラとエドヒガンを親とし、江戸時代末期に江戸の染井村で作られたという説が有力です。 

クマシデの雌花が咲き出しました。

クマシデ(カバノキ科) 「ロックガーデン」登り口、「野草の丘」と「大平沼」の間の道路沿いにあります。

 本州・四国・九州に分布します。山地や平地に生える高さ14mにもなる落葉樹です。新枝は有毛です。葉は有柄で互生し、有毛です。雌雄同株で雌雄異花。新葉と花芽が同時に開きます。晩春、小枝から黄褐色の雄花穂が垂れ下がります。雌花穂は新枝の先に上向きにつき緑色です。雄花は雄しべ多数で花糸は2岐(き)しています。雌花は苞鱗(ほうりん:花または花になる芽を覆って保護するうろこ状の小片)内に2個あり、子房1個と2花柱があります。果穂は大型で葉状の苞鱗が密生しています。カタシデともいいます。  

 和名「熊四手 (クマシデ)」は、玉串やしめ縄につけられる白い紙を折った「四手(しで)」にどことなく似ていることから「シデ」で、 「クマ」は、果穂の果苞が密で、アカシデやイヌシデの果穂よりも大きく見えることからのようです。

 

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