観察日記

ミヤマカスミザクラ 本日(4/27)開花です

 山形市野草園でしか見ることのできないミヤマカスミザクラが、本日開花しました。例年、10日間ほど開花していますので、ゴールデンウィーク期間中が、ちょうど見頃になるでしょう。

 以前からこの場所に自生していたサクラで、本園職員であった志鎌節郎さんが他のサクラとは違っていることを発見しました。桜研究の第一人者の東京大学名誉教授の大場秀章先生に詳しい研究をお願いしたところ、カスミザクラとミヤマザクラが自然交配した世界で当園でしか見られないサクラであることが判明し、2012年8月に「ミヤマカスミザクラ」と命名されました。花弁の先端が2つに裂けていて葉と花が同時に開くカスミザクラと、花軸が枝分かれしているミヤマザクラの双方の特徴が受け継がれています。

ヒトリシズカ  静御前に会いましょう

 通称「コゴミロード」のヒトリシズカです。2カ所で群生しています。

 北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に生える多年草です。葉は4枚が輪生状に付き、茎の先に1本の穂状の花序を出し、ブラシ状の小さな白い花をつけます。同種のフタリシズカは花穂を2本以上出すことで区別できます。また、ヒトリシズカは4枚の葉が輪生しているように見え、フタリシズカは2枚の対生する葉が、一段違って直角に交わっています。葉に艶があるのもヒトリシズカの大きな特徴です。

 和名「一人静(ヒトリシズカ)」は、この花の可憐さを愛でて、静御前になぞらえたものと言われています。

オオシマザクラ = 「桜餅の葉」&「ソメイヨシノの親」

 「野草の丘東側」のオオシマザクラが見頃を迎えています。

 日本の固有種で、日本に自生する10もしくは11種あるサクラ属の基本野生種の一つです。関東以南の島嶼の海岸沿いから山地にかけて多く生育し、その起源は伊豆大島などの伊豆諸島にあり、和名「大島桜(オオシマザクラ)」の由来となっています。樹形は傘状で、一重咲きの大輪の花を比較的多く咲かせ花弁の色は白色です。白い花と緑色の葉が同時に展開します。葉は長さ5cm~10cm程度で先端が尖った倒卵形または楕円形で互生し、細かい鋸歯を持ちます。花と葉は比較的強い芳香を持ち、葉を塩づけにして分解を促進して芳香を増した葉が桜餅の葉として使われてきました。

 誰もが知っているソメイヨシノは、このオオシマザクラとエドヒガンを親とし、江戸時代末期に江戸の染井村で作られたという説が有力です。 

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