観察日記

エゾムラサキツツジが雪囲いを外す前に咲き出してしまいました

エゾムラサキツツジ(ツツジ科)

 北海道の東部と北部に分布します。国外では、朝鮮半島の北部、中国の東北部、ウスリー地方に分布します。山地の岩場に分布する落葉(半落葉)低木です。高さ1~3m。自生地の北海道では、5月に開花しますが、本園では、最初に咲くツツジです。葉の展開に先立って花をつけます。 花の色は紅紫色で、花径は25~30m位です。 花冠は5つに裂けて平らに開きます。 雄しべ10。葉は長い楕円形で、互生です。 ただし、枝の先に集まってつくので一見すると輪生しているように見えます。 葉には艶があります。

 和名「蝦夷紫躑躅(エゾムラサキツツジ)」は、蝦夷に咲く紫色のツツジの意で、躑躅(ツツジ)は、行っては止まるという意味があり、見る人の足を引き止めることからの名です。

 下の写真は令和6年4月7日(日)に撮ったものです。雪囲いの縄がまだ取り外せないでいましたが、縛られた状態でも花をつけていました。下段の写真は昨年度の満開状態のものです。

ナニワズの黄色い花が綺麗です

 「藤棚そば」のナニワズです。「ロックガーデン西側道路斜面」でも、咲き始めました。

 北海道と本州の主に日本海側の山地に生える雌雄異株の落葉小低木で、高さ80cm位になります。根茎は、肥大して柔らかく、茎はしなやかで、葉は互生、質は薄く柔らかく、全縁で、葉の先の方が広くなります。花は、4月頃葉脈に数個の黄色い花をつけます。果実は、球形で7月頃赤く熟し、盛夏に落葉し、秋から新しい葉と翌春の花の蕾が生えます。

 別名エゾオニシバリ。オニシバリに似て北海道に産するために名付けられました。

カンアオイが雪が解けて出てきました

カンアオイ(ウマノスズクサ科)  マグノリア通りの西側の通路の外にあります。

 日本固有種です。関東地方南部から紀伊半島東部の地域に分布します。山地の樹下に生える常緑多年草で、根茎は地表近くを斜めにはい、筋が多く多肉で暗紫色です。葉柄は長く汚紫色で、葉表面は濃緑色を呈し、白斑や葉脈があり、毛がまばらに生えています。晩秋から初冬に暗紫色で黄緑色を帯びた花を半ば地にうずもれて咲きます。茎は非常に短く、茎の先に1葉と1花をつけます。花のように見えるのは花弁ではなく3枚の萼片です。萼片の中に雄しべ12個、雌しべより短いです。雌しべ6個、花柱の上部は2裂して尖り、基部に柱頭があります。本園では開園期間の11月30日までは開花せず、冬期間の雪の中で開花して、雪融けした後、落ち葉をのぞくと萼片が現れます。カントウカンアオイともいいます。

 和名「寒葵(カンアオイ)」は、徳川家の家紋のモチーフとなっていることで有名な二葉葵(フタバアオイ)に近縁で、冬でも葉が残る常緑性であることにちなみます。

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