観察日記

ホトトギス

「料金所を入って右に曲がり、ミヤマカスミザクラのY字路を左に曲がる」と、右側にホトトギスが咲いています。

 和名は「杜鵑草(ホトトギス)」。鳥のホトトギスの胸にある斑点と大きく開いた花被片の紫斑を重ねました。ちなみに鳥のホトトギスは「不如帰」と書くのが一般的なようです。ひと昔前のTVアニメに、尾の先から人を吸収する怪物が登場しましたが、まさしくこの斑点(色は異なりますが)でした。強烈な印象を受ける紫斑です。2株しかありませんので、花が咲いているうちにご来園いただければと思います。同じホトトギスの名を冠する植物では「タイワンホトトギス(吉林の庭)」が咲いており、もう少しすると「ジョウロウホトトギス(ロックガーデン)」が咲きます。

 北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南、四国、九州に分布する日本固有種です。山地の半日陰地に生育する多年草で、茎は直立し、円柱形で有毛です。葉は2列に互生し、基部は茎を抱き有毛です。秋、葉腋に2~3花ずつ花序を出し、花は柄があり、上向きに咲きます。花被片6個は斜めに開き、外面は有毛で白質で、内面は濃紫斑があります。雄しべ6、花柱の分枝は3本で、さらに2つに分かれ、蒴果は3稜形で中に淡褐色の種子があります。

 

茎にも種にも見事な翼がついています ハネミギク

 今日は、ハネミギクの実をご覧ください。キク科の植物で黄色い花を沢山付ける様子を8月上旬のインスタグラムで紹介しました。1枚目の写真のように茎の翼が特徴的でしたね。すでに花も終わり、たくさんの実をつけています。実をほぐすと、4枚目の写真の種になります。種は平らで2本の角があり、両脇に茎同様、見事な翼があります。怪獣映画に出てきそうです。実は外側に向けて多数の角を出していますが、種の角だったのです。

 

タイワンホトトギスが咲き始めました

タイワンホトギス(ユリ科)

 台湾、日本では西表島に自生する多年草です。高さは25~80cmほど。地下茎、茎ともよく枝分かれします。葉は互生です。葉身は倒披針形、狭い楕円状披針形または倒卵形です。先端はとがり、基部は心形になって茎を抱きます。茎先に散房花序をつけ、数個の花を上向きにつけます。花被片は6、ラッパ状に開き基部のふくらみが2つに分かれ、白色から淡紫色で内面に紅紫色の斑点があります。雄蕊は6。果実は披針形体の蒴果で3稜があります。

 和名「台湾杜鵑草(タイワンホトトギス)」は、台湾ではごく普通に見られるホトトギスの意です。

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