観察日記

ツルコケモモの実が赤く色付きました

ツルコケモモ(ツツジ科)

 日本では、北海道、本州の中部地方以北に分布し、国外では、北ヨーロッパ、北アジア、北アメリカ北部など、北半球の寒い地域に広く分布します。高層湿原でミズゴケとともに生える常緑小低木です。茎は針金状横をはい、長さ20cm位になります。葉は互生し、硬く厚く光沢があり長さ7~14mmです。7月、茎頂に小苞葉2枚をもつ細長い花柄を立て淡紅色の花を開きます。花冠は、長さ7~10mmで4深裂し、裂片は著しく外側に反り返ります。赤熟した液果は、酸味があって生食のほかジャムなどにします。英名はクランベリーです。

 和名「蔓苔桃(ツルコケモモ)」は、「蔓」のように伸長し、地上部が地面を這う様子を「苔」に例えたものです。「桃は果実の意味」で実が実ることによります。

 

フジバカマは薬草でもあります

フジバカマ(キク科)

 秋の七草の一つ。として、渡りの蝶アサギマダラの 蜜源としては何度も紹介していましたが、純粋にフジバカマとして紹介していなかったことに、今更ながら気づきました。

 フジバカマは中国原産といわれる多年草です。本州の関東地方以西・四国・九州に分布しています。国外では朝鮮半島と中国に分布しています。葉は3裂しますが、下部の葉は分裂しないことも多いです。葉は対生し、短い葉柄があります。秋に茎の上部で分岐し、淡紅紫色の少数の管状花よりなる頭状花序を密生します。花が似るサワヒヨドリは葉柄がないことで区別し、ヒヨドリバナとは、葉がやや厚く、表面に光沢があり裏面に腺点がない点で区別できます。

 和名「藤袴(フジバカマ)」は、花の色が藤色を帯び、花弁の形が袴のようであることからこの名があります。

 薬草です。つぼみがついた時に全草を採取して乾燥させたものを生薬名「蘭草(ランソウ)」と言います。利尿、通経や黄疸、腎炎などで体にむくみがある場合には、煎じて食間に服用します。糖尿病の予防と治療にも効能があります。浴湯料としても利用します。

テンニンソウ

 「案内番号③」でテンニンソウが咲いています。

 本州、四国、九州に分布する日本固有種で、山地の樹陰に生える多年草です。地下に太い根茎があり、茎は四角張り、高さ1m程で直立します。葉は対生し、柄があり、初秋に茎の上部に花穂を出し、淡黄色で唇形の花をつけます。萼は短い筒状で、5つに裂け、花冠は下部が筒状です。雄しべ4、雌しべ1は、ともに花冠より長くなります。

 和名は「天人草(テンニンソウ)」。葉を虫の食害によってボロボロにされることが多く、その姿を天人の羽衣に見立てたという説がありますが、牧野富太郎博士は「天人草の意味は何によるものかわからない」とおっしゃっています。

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