観察日記

ムクゲは長く花が楽しめる植物です(今年の開花は7/14で、9月下旬まで)

ムクゲ(アオイ科) 「吉林の庭」にあります。

 中国が原産です。日本へは平安時代初期には渡来していたと考えられています。庭木として植えられる落葉樹です。幹は直立し、高さ3m位で、よく枝分かれします。葉は柄があり、互生です。夏から秋に枝の上部の葉腋に短い柄のある紅紫色、または白色の花を開きます。花の脇には蕾が多数あり、次から次と咲いていきます。花の下にいくつかの線形の小苞葉があります。萼は鐘状で5つに裂け、花弁が5枚あります。雄しべは単体で多数あり、花柱は長くのび、蒴果は5つに裂けます。

 和名「木槿(ムクゲ)」は、漢名「木槿」の音読みである「モクキン」が転訛したものともいわれています。

ミズタマソウ

「藤棚からクリンソウの谷へ向かう道端」のミズタマソウです。

 日本では北海道から九州までに見られ、国外では朝鮮半島、中国、インドシナに分布する山地の陰地に生える多年草です。地下茎は白色で、茎は直立して高さ40~60cmになります。葉は柄があり対生で、夏に茎の頂に頂生および腋生の総状花序を出し、柄のある小さな白色の花が咲きます。緑色の萼2、花弁2、雄しべ2、花柱1で、果実はほぼ球形で鉤毛があります。

 和名は「水玉草」。小さな丸い果実に白色の毛がつき、水玉のように見えることに由来します。日差しの強い日中ではなく、水滴が残る雨上がりや早朝に見ていただきたい植物です。より一層、趣を感じることができるでしょう。 

コナギ

「クリンソウの谷の橋」から見下ろせる小池で、コナギが咲きました。

 一年草で、地下茎などは持ちません。高さは15cm ほどになり、茎は根元で数本に枝分かれし、小柄なものは地表をわずかに這い、大柄なものはやや斜めに立ち上がります。葉は長い柄があり、葉身は強い光沢がある細い披針形、生長がよければ基部が心形の卵形になり、成長段階によって変化します。よく育つと幅広くなります。全株ともやわらかく、緑色で葉身表面はつやがあってやや色が濃くなります。

 本園では、数年ぶりに開花が確認されましたが、水田耕作における強害草の1つに数えられます。無農薬栽培で水田耕作をしている農家の方には、悩みの種だそうです。綺麗な花だけに、ちょっと残念!

開園日について

アーカイブ