観察日記

ネジバナの花は右巻きか左巻きか

 ネジバナの穂状花序のねじれは右巻きか左巻きかどちらでしょうか。そもそも、右巻き・左巻きの定義には諸説ありますが、植物の場合の見分け方の1つとして以下が用いられています。

・右巻き:根元側から見て時計回りに巻く場合

・左巻き:根元側から見て反時計回りに巻く場合

 そうすると上の写真の左のネジバナは左巻きで、右側のネジバナは右巻きになっています。どうもネジバナの右巻き左巻きは5分5分のようです。

ネジバナ(ラン科) 

 「料金所」入って直ぐの円形花壇、「ひょうたん池」の東歩道、「自然学習センター」から「薬草コーナー」の間の道路わきにあります。ネジバナの巻き方をいろいろな所で調べてみてください。

 日本全土、ヨーロッパ東部からシベリアにかけて、温帯・熱帯アジア全域、オセアニアなどに広く分布しています。原野の芝地や草原に生える多年草で高さ15~30cmです。葉は根生します。夏、葉間 に10~30cmの花茎を直立し、上部にねじれた穂状花序つけ、多数の桃紅色の小花を開きます。花は側向し平開しません。唇弁は淡色で倒卵形です。子房は楕円体で上部は側向し緑色、有毛です。「捩摺(モジズリ)」ともいいます。

 和名「捩花(ネジバナ)」は、その花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲く「ねじれた花序」が由来です。

シャクジョウソウが咲き出しました

シャクジョウソウ(ツツジ科)

 北海道、本州、四国、九州に分布する山地の樹影に生える多年草です。国外では、アジア、北アメリカ、ヨーロッパの温帯に分布します。茎は束生し、直立して高さ20cm内外で円柱形です。鱗片状の葉は互生し、下部は重なり合います。茎の頂に総状の花穂をなし、淡黄白色の花を5~10個下向きにつけます。花は長い釣鐘で、花弁4、雄しべ8.蒴果を結びます。腐生植物(種子植物の内で、植物体に光合成で自活する能力がなく、菌類と共生して栄養素を得て生活するもの)なので葉に葉緑素はありません。

 和名「錫杖草(シャクジョウソウ)」は、全体の姿を僧侶や修験者が手に持って打ち鳴らす錫杖(しゃくじょう)に見立てたものです。

園内に一番多いケイタドリ

ケイタドリ(タデ科) 「七草の庭」、「ツツジの丘」、「ひょうたん池」西側にあります。

 北海道西南部から本州中部に分布する山野に多い多年草です。日本固有種です。根茎は横にはい肥厚し、皮は褐色です。茎は高さ2~3mで、少し弓状に傾き、中空で質は硬く、緑色で日に当たると紅色となります。葉は互生で柄があり、裏面は淡白色です。雌雄異株です。夏から秋にかけて、茎の上部の葉腋から花序を出し、白色の小さな花をつけます。萼は5裂し、花弁はありません。

 和名「毛痛取(ケイタドリ)」は、傷薬として若葉を揉んでつけると血が止まって痛みを和らげるのに役立つことから、「痛み取り」が転訛して名付けられました。「毛」は葉や茎に毛があるからです。

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