観察日記

トビシマカンゾウが咲き始めました

 「学習センター西側」でトビシマカンゾウが咲き始めました。

 山形県の離島、飛島と佐渡の海岸に限定して自生する海の近くに生える多年草です。ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)より葉の幅があり、縁は波打ちます。草丈が高い点を除いて相違はなく、海岸という立地に基づく生態型(島嶼(トウショ)(大小の島々のこと)型)であろうと考えられています。最初に飛島で発見され、全島にわたって広く分布しており、この花や蕾をとって食用にしたり、葉は稲わらの代用として島民の生活に利用されていました。

 和名は「飛島甘草」。文字通り甘いそうです。ゼンテイカと比べると、草丈がかなり高いことが分かります。

 

コウホネが咲きました

 「ひょうたん池のマグノリア通り側」でコウホネが咲きました。

 日本の北海道 (南西部)、本州、四国、九州に分布し、池、沼、溝あるいは細流れに生える多年生の水生植物です。高さは水深によって異なり、根茎は白くで肥大して横に這います。葉は水中葉と水上葉があり、冬季には水中葉のみ残ります。暖かくなるにつれ、水面に浮く葉をつけ、やや厚くて深緑で、表面にはつやがあります。長い花茎の先端に1つだけ黄色い花を咲かせ、オゼコウホネと違い柱頭盤は赤くなりません。

 コウホネの水上葉は、高く立ち上がるため、花が葉の下や陰になってしまうことが多いようです。オゼコウホネの写真も載せました。違いをお楽しみください。

エビガライチゴ

 「ミズキの林をひょうたん池に向かう道路脇」で、エビガライチゴが咲きました。

 日本、中国北部、朝鮮半島に分布し、山地の日当たりの良い所に生える落葉低木です。茎は直立するが後に蔓状となり、紫赤色の堅い腺毛を密生します。葉は互生し柄を持ち、裏面は白毛があります。枝の端に総状花序を作り、淡紅色の花が付きます。萼片5、花弁5、雄しべ多数で短く、核果は集まって球形となり、8月頃赤く熟し食べられます。冬芽には白い軟毛が密生します。

 和名の「海老殻苺」は、腺毛が赤くエビガラのようであることからきています。写真からも、硬そうな腺毛がお分かりになるのではないでしょうか。葉の裏側が白っぽく見えることから、別名「ウラジロイチゴ」とも呼ばれます。これも、独特な様相の花ですね。

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