観察日記

アオハダの小さな花です

 ツツジの丘の北の端で、アオハダが咲きました。

 日本では北海道から九州まで各地に分布し、アジアでは中国と朝鮮半島にも分布します。山地に生える雌雄異株の落葉高木です。樹皮は灰白色で皮目が目立ち、外皮は爪で容易にはがれ、緑色の内皮です。名前の由来はここからきています。枝の先に緑白色の花を束生させます。萼は4つに裂け、花弁4~5枚です。雄花は多数集まり、雄しべ4、雌花には小型の雄しべ4~5と大きな子房があります。核果は球形で、赤く熟します。 

ヤグルマソウ

 「ロックガーデン」のヤグルマソウが咲きました。藤棚付近のヤグルマソウは、葉は生い茂っていますが、花茎はまだ見えません。ヤグルマソウに限らず、同じ植物でも場所によって、ずいぶん開花時期に違いがあります。人に例えれば、個人差も大きいと感じます。

 北海道西南部から本州、国外では朝鮮半島に分布します。深山の樹下などの陽の当たらない場所に生える多年草です。大きな5小葉を放射状に広げその中心から1m程の花茎を伸ばして円錐花序に白い小花を密につけます。小花には花弁がなく、多数の萼と雄しべからできています。

 和名「矢車草」は、端午の節句でこいのぼりと一緒に添える「矢車」に似ていることに由来しています。

 

ギンランとササバギンランが咲いています

ギンラン(ラン科) 「ミズバショウの谷」木道を抜けた歩道沿いにあります。

 北海道、本州、四国、九州に分布します。国外では、中国大陸、台湾、朝鮮半島に分布します。山野の樹陰に生える多年草で高さ15~20cm位になります。茎は直立し2~3葉を上部につけます。6月頃、茎の頂に3~4の白花の小花を開きます。花は平開しません。外花被片は3で楕円状披針形です。内花被片は2で外花被片より短いです。唇弁には距があります。蒴果は狭い長楕円形で柄がありません。 

 和名「銀蘭(ギンラン)」は、黄色の花を咲かせるキンラン(金蘭)に対して、白色の花を咲かせることによります。

ササバギンラン(ラン科) 「ロックガーデン」西回り道路沿い、「深樹の小径」炭焼き小屋の向かい側にあります。

 北海道、本州、四国、九州に分布します。国外では朝鮮、中国東北部に分布します。山地の樹林下に自生する多年草です。根茎は短いですが、根は細く長いです。茎は直立し、高さは30~50cm位になります。葉は互生し、卵状披針形です。先端は尖り、基部は茎を抱きます。葉の裏面、縁および花序に白色の短毛状突起があります。白色の花を穂状花序に数個つけます。花の下にある葉状の苞が目立ち、下部の1~2個の苞は花序より長くなります。萼片は長さ11~12mm、側花弁は萼片より短く、唇弁の基部は距となって突出します。

 和名「笹葉銀蘭(ササバギンラン)」は、 葉が笹の葉に似たギンランの意です。黄色い花のキンラン(金蘭)に対して白いので銀色とみなしてギンラン。

 ギンランは葉より花序が高くなりますが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなります。また、ギンランより全体に大型になります。

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