「ミズバショウの谷」のザゼンソウとミズバショウは、本園で大人気の植物ですが、「ひょうたん池」「クリンソウの谷」周辺でも様々な植物を見ることができます。料金所入ってすぐの場所でもあり、自然学習センターまで30分ほどでまわることができます。トガクシソウ(トガクシショウマ)も咲き始め、カタクリも5分咲きとなって、華やいできました。
観察日記
コシノカンアオイが1つだけ咲きました。
コシノカンアオイ(ウマノスズクサ科) 藤棚と④標識の間のスギの木の根元にあります。
福井県から山形県にかけての日本海側の山地に分布します。日本固有種の常緑多年草です。根茎は暗紫色(あんししょく)をし、短いが太く、地上を匍匐(ほふく)します。葉は長い柄があり、長さは6〜12cmで、卵状広楕円形または卵状ほこ形というよりハート形といった方がわかり易いでしょうか。葉には光沢があり両面とも無毛、斑紋があるものとないものがあります。
花は3月末から6月初旬頃開花し、全体が暗紫色です。内面に縦に隆起した15本程のひだと約7本の横ひだが発達し、格子状になっています。
カンアオイの仲間は江戸時代には諸国から採集され、大いにもてはやされ栽培された時代があったそうです。
ギフチョウの幼虫の食草となりますが、本園にはギフチョウはいません。
オクチョウジザクラが咲きました。(4月5日 午前開花)
オクチョウジザクラ(バラ科) 「スワンヒルの庭」南側十字路付近、「ロックガーデン」登って直ぐの所で開花しています。
太平洋側のチョウジザクラに対して、日本海側の多雪地帯に分布するサクラです。和名「奥丁字桜(オクチョウジザクラ)」は、花の形を横から見ると「丁」字形をしているから「丁字桜」です。そして、日本海側の多雪地帯・奥地に自生することから、「奥丁字桜」といいます。
樹形は細くて株立ちするという特徴があります。毛はチョウジザクラより少ないです。花の萼筒が長く、少しふくらんでいます。花は最初は白っぽく、花の終わりには赤っぽくなるのも特徴です。
園内では春と秋、2季咲きするジュウガツザクラについで早く咲きます。