観察日記

アキニレ 翼果をたくさん付けて黄葉

 「スワンヒルの庭」周辺にあるアキニレ(ニレ科)が、翼果(よくか:果皮の一部が翼状に発達した果実)を驚くほどたくさん付けて黄葉しています。楡の木というと春に花を咲かせるハルニレが一般的で、北海道や北国、高地に自生します。それに対して、アキニレは秋に花を咲かせてこの時季に実を付ける種で、西日本の河原や山地に自生します。野草園では両者を見ることができるように、自生しているハルニレだけでなく、アキニレが植栽されています。

 非常に硬い木材であることから「イシケヤキ」と呼ばれたり、河原に自生することが多いので「カワラケヤキ」とも呼ばれたりします。また、葉が小さく樹皮が美しいことから盆栽木としても人気があり、ケヤキに似ているため「ニレゲヤキ」とも呼ばれたりするようです。ちなみに、ケヤキもニレ科の樹木です。

ユキツバキの1年を振り返ります

ユキツバキ(ツバキ科)

 4月1日には雪の下にあったユキツバキですが、雪が解けるとすぐに立ち上がって、4月25日には満開になりました。それから、実が大きくなって色付いたのが7月28日、10月10日には実が裂開し始めました。そして、11月に入って冬芽(花芽)の先が色づいて、4月1日のような冬芽になりました。雪の世界の訪れを感じずにはいられません。

冬越しの準備万端 ショウジョウバカマの花芽

 「ミズバショウの谷」に落ちている枯葉の下に、常緑多年草のショウジョウバカマ(シュロソウ科)を見つけることができます。よく見ると根生葉の中心に来年の早春に咲かせる花芽が、すでにしっかりと形成されています。これから迎える厳しい冬を乗り越え、来年花を咲かせる準備はもう整っています。

 ショウジョウバカマの花芽の形成は、夏頃より始まります。次の年の早春、雪解けすぐに根生葉の真ん中の花芽から花茎を立ち上げ、淡紅紫色の花を咲かせます。来年の4月、花が咲くのを楽しみに待ちたいと思います。

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